手術? ~2009年冬

TanuCORO

2010年03月27日 00:33

◇12月初旬

紹介状を握りしめさらに別の病院へ
今度は入院施設、CT・MRIなども整ったやや大きな整形外科病院です。


診察を待っていると他の人たちは普段着で診察室に入っているのに、僕の場合はまず別の部屋に呼ばれてそこでいきなりパンツ1枚にされ(・_・;)
そして検査着に着替えさせられてからようやく診察室へ
ドアを開けた瞬間、

手術の覚悟は出来てますか?」

「え?え?」

ネットで調べる限りはちょっと偉そうな先生(実際偉いと思いますが)
いきなり言葉で僕の首をバッサリと(笑)
そして先生はさっさと全身をくまなく調べ始めました。


一通り調べが終わった後、MRI画像を映し出すモニターの前にて
画面をクリックして頚椎に番号を表示し僕の首に起こっていることを簡潔に分かりやすく説明してくれました。

神経が圧迫されるとどのようなことが起こるか、
この状態で首に大きな衝撃が掛かるとどのようなリスクがあるか
根本的な解決としては外科手術しかないと考えられる等・・・


この先生、とにかく言うことに迷いがありません。
回りくどいことは一切言わずにこちらの質問はほぼ即答
試しSKIについて訪ねてみました。

「今シーズンはパス!来シーズンはOK!」

本当に無駄を言わない先生の返事はたったこれだけだったのですが、
まあそれで充分でした。
”来季は心配要らないよ!”という雰囲気は充分伝わりました。


頚椎はそれなりに難しい手術のはずですが、とげを抜くみたいにさらりと簡単に言ってしまうこの先生は職人さんそのものに見えてきました。
家族と相談した上でもう一度伺うこととして病院を後にしました。



◇12月中旬

まだ自分自身手術はかなり迷っていましたし、他の病院での見解も当然聞いておくべきだと思っていましたが、まずは嫁同伴で再び同じ先生のもとへ相談に伺いました。


手術をするリスク
手術をしないリスク
手術の費用
 (健康保険に入っていないと絶望的金額^^;)
手術の方法
 (僕の場合は首の後方から行う椎弓形成術)
入院期間と復帰について
手術は現在予約待ちのため早くても3月になってしまうこと

一通り説明を受けました。


この頃には僕もかなりネットなどで調べていて、いろいろな手術法そして椎弓形成術がどういうものかはある程度理解していました。
しかしこの先生が行う手術は一般的に紹介されている方法と少し違い、素人目にはどう考えても大掛かりな施術
・・・なのに手術翌日から頚椎カラー(首を支える保護具)も無しに歩行可能、そして順調であれば2週間ほどで退院できると言うのです。

この先生はもしかしたら魔法を使うのかもしれない
・・・と思ったわけでもないのですが、自分の中では決意が固りました。

”もし手術をするならこの先生にお願いしよう!”

それは先生が時おりみせる表情、
お人柄が出ていて100%信頼しても良いと思えてしまったのです。


もし身内に同じような事が起こったら絶対にセカンドオピニオンをすすめると思います。
一人の先生の判断だけではやはり怖い・・・
しかし僕自身は直感で決めてしまいました。

あとは(手術の)タイミングだけ・・・


少し気持ちが吹っ切れたところで病院帰りに夕マズメの海に行きました。
せっかく半日休暇を取っていたし、いつまでも沈んではいられません。

そして・・・
嫁に圧倒的な差をつけられたとても悲しい釣行となってしまいました(笑)



◇クリスマスイブ

会社をお昼で上がり病院へ向かっていました。
先生ともう一度お話しようと思って・・・

クリスマスケーキを売り出す準備があちこちで行われているのを横目に、電車・バスを乗り継ぎ病院がどんどん近づきます。
しかしまだ先生と何を話そうとしているのか全く決まっていませんでした。
待合室で呼び出しを待つ間ですらまだ迷っていていつもはうんざり感じる長い待ち時間がこの日に限っては有り難かった・・・


しかしとうとう呼びだされて気持ちが固まらないまま診察室へ
職人さんに

「え~っと、どうするんでしたっけ?」と聞かれて

「先生の手術をお願いしようと思っています。」

思わず口が滑ったという感じでついつい言ってしまった!
言ってしまってからなんだか変な汗が出てきました(・_・;)


先生は壁に掛かった小さなカレンダーを見て入院日と手術日を提案してきました。約2.5ヵ月後でした。

「その日で結構です!」

そういうと先生はそのカレンダーに小さく書き込みをしていました。


”なんだかとても簡単”
ブロック注射の予約をとるみたいにさらっと決まってしまった手術
本当にこれで良いのだろうか
先生も壁のカレンダーにチョイチョイ書き込むだけ・・・
(もちろんその後に色々手続きをして下さったのだとは思いますが)

でもそんなところがいかにも職人って感じ!(笑)


職人さんは別れ際に、

「入院が決まったからといってその前に決して無理をしないように!」
「仕事は退院してからいくらでも出来る!」

そう言って送り出してくれました。

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